薄い和紙をプリンタに通すには

書道用紙などの薄手の和紙は、プリンタにスムースに通りません。民生用のプリンタしかなかった頃は、長尺の用紙をまっすぐに通すことが難しく、傾いていると最後の方で、紙が片側に寄せられ、寄ったシワにヘッドをこすって失敗します。大判プリンタ導入後は、そのような失敗はありませんが、腰のない紙が通らないのは同様です。こすったヘッドが詰まるだけならまだ良いのですが、修理が必要になる可能性もあります。

以前は、3M社の「スプレーのり」などで厚手の紙を裏打ちしておりました。掛軸に仕立てるので、あとで剥がし、薄手の和紙を裏打ちする必要があるためです。先に軸用の裏打ちをしておいて印刷する、という選択肢もありましたが、失敗すると裏打ちの材料費と手間が無駄になるので挑戦したことはありません。スプレーのりを使うにしても、使い捨てられる大きな紙もそうそうなく、スプレーはあちこちに飛び散るため場所をい選び、大判の出力には結構功労をしておりました。

最近、仮の裏打ちに最適な素材を見つけましたのでご紹介します。それは、

  • 切り文字ステッカー用の「転写シート」

です。「和紙タイプ」というものがお勧めです。

切り文字とは、自動車やお店のウインドウに文字やパターンだけ貼ってあるアレです。切られた文字をそのまま貼ろうとしても、部品ごとにバラバラになってしまうので、一旦、弱粘着のシートに転写し、それを対象物に貼ってからはがすと、文字だけが残るという訳です。基本的に使い捨てるものですので、コストはそれほど高くありません。最近は、切り文字用の材料をネットで個人にも販売しているところがいろいろありますので、調べてみてください。

なお、用紙の中には粘着シートの接着が良くないものもありますが、印刷中に剥がれられると機器にダメージを与える可能性もあります。そのような場合、当店では、機器の修理の出費を考え、本格的な裏打ちをさせてもらうか、お断りするかを考えます。

貼り方

  1. 粘着面を上に転写シートを広げる
  2. 紙をふわっと上に置く
  3. 中心から外側に空気を追い出すように、撫刷毛で貼り付けていく
  4. 壁紙の合わせ目を抑えるローラーで全体をころがし、密着させる

剥がし方

  • 裏返しに置き、表を台側して裏側をはがすと良い
  • 密着が強い場合は無理せず部分的にちぎって剥がす。
  • 和紙は毛羽が長いので、剥がした転写シートの再利用はできない

 

 

 

 

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