スキャナの改造

scanner作品の電子化には「フラットベッド・スキャナ」という装置を使い、作品をデジタルデータに変換します。写真右が改造したA3サイズのスキャナ、左は予備機として確保した、販社が別の同型機です。

民生用のスキャナの多くはA4サイズで、入門機はお手軽な価格で買うことができますが、国内メーカーのA3サイズのスキャナは、価格はA4サイズの10倍くらいします。改造のベースは安価な台湾メーカーのスキャナを調達しました。

価格の差はおそらく撮像素子で、上等なものはCCDというデバイス、お手軽なものはCIS(コンタクトンタクトイメージセンサ)というデバイスが使われています。画質はCCDの方が上といわれていますが、CIS採用の安価な機器の方が構造がシンプルですので改造のベースには向いています。

pattori民生用(一般向け)のスキャナは、左の写真のようにガラス面が額縁状に凹んでいます。安価なスキャナの撮像素子は焦点距離がシビアで、ガラス面より少しでも離れるとボケてしまうので、作品をガラス面に密着させる必要があります。しかし、この「窓」より大きな作品を電子化する場合、密着させようとすると、段差で作品を痛めてしまう可能性があります。

作品の上にスキャナを乗せて電子化する方法も考えられますが、ガラス面が凹んでいるため、ガラスを作品に密着させることができません。そこで当店では、ガラス面をフラットに改造することにしました。

scan_express_A3民生用のスキャナの筐体は、スキャンサイズの窓が空いていて、その窓よりやや大きなガラスを内側から接着する構造になっています。それを分解してガラスを取り出し、ガラスの<横>にアルミのアングル(L字型の棒材)を接着して、ガラスの面をフラットに改造しました。こうすると、台の上に広げた作品を分割してスキャンすることができます。

pic03ガラス面の段差をなくすことにより、ガラス面を作品に密着させることができれは、軸装や額装された作品、また、板状のものに書かれた作品なども電子化でき、巻いたりできる掛軸に仕立てることも可能です。

今までは、大きな美術作品を電子化するためには、美術館や博物館で使う、高価な機材しかありませんでしたが、分割してスキャンし、あとから合成するこの方法ですと、スキャナを移動させるため精度は落ちますが、お手軽な料金で作品を電子化することができます。

分割し、電子化された作品を合成する画像処理のテクニックは、改めてまたご説明します。

4件のコメント

    1. コメントありがとうございます。昔からものを作ったり改造したりするのは好きでしたので、思わぬところで役に立ちました(笑)。商売が上手ではないので、あまり予算が掛けられない、と言うのもありますが、売っていないものは作るしかありません。

      以前どこかのサイトで、原稿を通すタイプの大判のスキャナを改造し、作品の両側に2本のレールを渡し、そこをスキャナの方が自走するように改造したものを見たことがあるのですが、今探しても見つかりません。大判を直接取り込めると、画像をつなぐ必要がないので、中古の機材でも安く手に入ればチャレンジしてみたいのですが、自分の技術力では不足しているような気もします。

  1. こんにちは!まさにこういう事ができればな〜と妄想していました。
    物撮りの機材一式を持っているので7年間くらいがんばって複写していたのですが、どうもピントが甘かったり、グラデーションの幅が狭かったりと、満足いきません。
    この改造って素人でもできるのでしょうか…この際ガラスの側面は剥き出しでも、スキャンさえできれば…という感じなのですが…。

    1. コメントありがとうございます。
      わたくしも素人ですが、改造にはかなり苦労しました。
      ガラスは、強力な両面テープで樹脂製の筐体に付いているのですが、相手がガラスなので剥がす作業には気を使いました。金属製のヘラでこじったりすればガラスが割れそうです。なるべくガラスにダメージを与えないよう、筐体の上半分を細かく切断して剥がしました。ガラス屋さんからでも、同じ厚み、より広い面積の割れにくいガラスが手に入るのであれば、改造はかなりラクになるかもしれません。
      もっとも問題と思われるのは、撮像素子のキャリブレーション用と思われる白と黒の樹脂製のテープが、筐体の方に貼られていることです。それをダメージなく剥がすのが大変でした。ガラスの方に貼ってあれば良いのですが、それだと両面テープや接着剤の影響で正確に校正できないのでしょう。
      以上の苦労と比べると、ガラスをアルミのアングル(L字型の材)に貼り付けるのはそれほどでもありませんでしたが、ツライチにするためには、3mmの幅しかないアルミとガラスの「横」に、はみ出しなく接着剤をつけるのはかなり工夫が必要でした。枠は組まないと、メカのある筐体の下半分にガラスを取り付けられないので必須です。大きなガラスが手に入れば、アングルはツライチにする必要がなくなりますので、接着は両面テープでも可能かもしれません。
      使用した道具は金ノコ(手動)とボール盤とタップ程度ですが、ある程度の工作の腕に自信がなければ、難しい改造と思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

5 × 3 =