凌雲堂では、インクジェットの墨表現への応用を、表具店の立場から個人で細々と研究してまいりました。その成果は店内に掛軸として飾ってありますが、こちらからの説明なしに、複製と指摘された方はおりません。ポイントは
- 書道用紙に出力する
- 表装する
ことであると思っております。
高度に電子化されたデータであっても、コピー用紙に出力してしまえば印刷された手本と何ら変わりはありません。書道用紙への出力は、紙の質感とインクの若干の滲みなどにより、かなり本物に近く感じられます。さらにそれを表装すれば、心理的な効果もあって、まず印刷を分かる方はいないでしょう。
当店では、「書かれたように見える印刷」を目指して研究をし、作業をしてまいりました。このカテゴリでは、そのために必要な
- 床の間にかけた掛軸が書かれたように見えるのに必要な解像度はどの位か
- 掛軸に仕立てるために必須の、薄い和紙をプリンタに通すには?
- 電子化時に写ってしまった紙色や汚れの除去
- 分割してスキャンした画像の合成方法
- そのほか「書かれたように見える印刷」に必要な、補正や画像処理
などの事柄をご説明してまいります。全て自己流ですのでお役に立てるかはわかりません。参考にしていただければ幸いです。