実際の作品と印刷された作品で印象が異なる場合があります。墨絵の場合など、薄墨で書かれた部分がやけに濃かったり、逆にほとんど印刷されなかったり、と言ったことがおこります。
作品や印刷物は反射光により、モニタでは直接光により色彩を知覚するその差異や、入力(スキャナ)、画像処理(モニタ)、印刷(プリンタ)などの機器の信号の処理や設定などによって色合いが変わってきますので、整合を取る必要があります。これが「階調補正」です。
「階調」とは、明度の変化の段階を言います。モノクロは「2階調」、8ビットグレースケールなら「256階調」といった具合です。仮に階調を10段階と仮定します。紙の「白」、墨の「黒」の色合いを合わせたとしても、中間のグレーはどのように変化するのか。データ上の50%グレーは、印刷されたときにどのようなグレーになるのか、30%ではどうか。モニタ上では、10%~90%まで、等間隔に滑らかに変化 するように見えても、印刷した印象は等間隔に感じられない場合があります。それらを、画像処理ソフトのいろいろな機能を使って変化させ、調整してゆくわけです。
画像処理ソフトで階調を変化させるのは「コントラスト調整」「トーンカーブ」「ガンマ」です。ガンマについては店主の理解が浅いため、当面このブログでは触れません。コントラスト調整、トーンカーブ調整の体験から得たテクニックについては、改めてご紹介させていただきます。