棚の扉に入れたふすまが、長らくボロボロに破れてたままでしたので、オリジナルプリントのクオリティを確認がてら貼り替えることにしました。
確認したかった点は、以下の3点です。
襖紙(鳥の子紙)の背景を単色でベタ塗りした場合、
- どのような印刷品質になるか
- 白はどのような感じになるか
- 襖に張る場合、折られたり手のひらで引っ張られたり「カド」の状態
上側の扉です。ベクトルの素材集の中から、梅に小鳥の作品を選択しました。
下側は同じ作者の別の素材集から、作者オリジナルの月に桜の図案です。
全体です。図案は、通常の襖紙では実現できない、大胆な構成が可能で、個人的には満足しています。素材集の作者の実力のおかげでしょう。
上下どちらかの図案は、左右反転させた方が構成が安定したのでは、と、少し反省しています
検証結果
- 上の扉はクラフト色、下は紺をべた塗りしました。薄い色のインクジェットプリントは粒状感が心配されますが、クラフト色程度の濃さでは確認することができず、単色のインクを塗ったような、上々の仕上がりでした。
日本画では、生成り色の地に胡紛(ごふん)と言う白い絵の具を使うことが良くありますが、インクジェットプリントでは白いインクはありませんので、白は「塗らないこと」によって表現されます。その場合、白の部分の質感は、紙そのものの質感となり、胡紛を塗った状態とは見映えが違ってしまう可能性があります。
通常、襖紙は生成り色ですが、今回使用した紙は、純白ではありませんが、白茶を薄くしたような色でしたので、雲肌の表面処理と相まって、胡紛を塗ったような仕上がりとなりました。- 今回使用した紙は雲肌に塵入りの表面加工がごく薄い層で、残念ながら、襖に張り込む際の引っ張りには耐えられず、若干剥げてしまいましたので、加工の際は何らかの工夫が必要です。強靱な顔料インクと言えども、印刷用の油性インクほどの染み込みや強度は期待できませんので、べた塗りの場合は、層になっていない紙を使う必要がありそうです。