SDR

DSC_0024電子「工作」という程のことではなく、プラスチックの筐体から外した基板を金属のフレームに実装し直しただけのモノです。ブツは海外製のワンセグチューナーで、何に使うかというと‥‥、

DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)は、CPUとはことなった原理でデジタル信号をリアルタイムに近い時間で処理する素子のことで、パソコン関連ではオーディオの入出力部分などに使われています。従来は音声帯域での活用が主でしたが、素子の処理速度が向上すると、例えば空を飛び交う電波など、高周波信号を直接処理できるようになるのでは、と妄想したことがありました。

アナログ回路であれば、アンテナでとらえた電波を同調・変換・増幅・検波などの処理を、トランジスタ・コイル・コンデンサなどの個別素子を数多く使うため、設計や調整には専門の知識や経験が必要で、FMやSSBなどの検波には高価なフィルタや複雑な回路が必要でした。

アマチュア用の無線機で、高価なフイルターが必要だったり、抑圧搬送波の復元で複雑な回路構成になったりのSSBの復調を信号処理で実現したものがあったと聞いて感心した記憶があるのですが、処理速度の向上は、より周波数の高い、電波そのものを処理することを可能にしました。これにより、基板上から同調用の高周波コイルなどが姿を消すことになりました。内部は、DSPと、その周辺回路しかありません。応用製品でもっとも身近なものは、PCのUSB端子に接続して使う、ワンセグ用のチューナーです。

世の中には物好きがいて、専用のドライバを開発し、ワンセグ以外の周波数も受信できるようにしてしまったツワモノがいます。その応用がSDR(Software Defined Radio) です。これにより、数万円していた広帯域受信機が、わずか千数百円で手にすることができるようになりました。うちにはありませんが、android4.0以降の、USBホスト機能のあるスマホでもあれば、サイズ的にもハンディの広帯域受信機と遜色ありません。

190089-1.jpg=450さて、ドングルと言われる、USBメモリのような形状は、あまり使い勝手が良いわけではありませんし、端子の向きや放熱の問題もあるので、基板のみをとりだし、別の筐体に収めようと構想を練っておりました。

DSC_0026アンテナ入力はGPSアンテナなどに使うMCXと呼ばれるあまり一般的ではないタイプですので、変換コネクタを利用しなければ、高周波用の一般的なコネクタを接続することができませんが、変換コネクタは小さい直径のコネクタのバネ性だけで止まっているので、かなり心許ない様子です。これ自体に直接ハンディ機用のアンテナを取り付けたりもしたかったので、アルミのチャンネルにこの変換コネクタをネジ止めすることにしました。それを基板固定にも利用することにします。

オリジナルではアンテナコネクタは横を向いているので、ストレートな形状にするため、入力コネクタの向きを90°変えました。USB端子に延長を使うのは見た目がいま一つですので、マイクロUSBコネクタを、変換基板を介して取り付けました。ケーブルが外せるので収納時のスタイルがスッキリしますし、ノイズ発生源でもあるPCやタブレットからチューナーを離して設置することもできます。

DSC_0030ネットによれば、チップの発熱により感度の低下が見られるとあり、先達が色々工夫されておりましたが、わたくしは基板の裏側にアルミの切れ端を貼り、それを介して筐体に放熱できるよう工夫しました。表側の放熱器は、熱伝導の全く考慮されていない接着剤を使用しているため、見掛け倒しです。もしかすると逆効果になっているのかもしれません。

DSC_0036430MHzハンディ機用の短いアンテナをつないでいるだけですが、木造の家屋ではFMの放送が問題なく受信できています。

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