手のひらサイズの試作環境から完成品へ

DSC_0178arduinoをを入手してから作ってみたかった、マイコンボード無しで単体で動作する装置を製作しました。

仕事で使う熱圧着用プレスのタイマーです。

タイマーと言っても、熱板の上げ下げは手動ですので、自動で何かするものではなく、熱板を下げたことを検知し、設定した時間が経つとブザーを鳴らす、と言 う、きわめて単純な機能のものでした。設定したい時間は、12秒、25秒、40秒、50秒と言ったところです。もともと実装されていた電動式のタイマーは3分計なので、短い時間に合わせるのは、設定を何度か繰り返す必要があり、かなり面倒でした。使用目的によって設定を変えてしまうと面倒ですので、12秒前後に合わせたらそのまま設定をいじらず、ブザーが鳴るとスイッチを操作してタイマーを入れ直し、時間を延長する、と言う有様でした。

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新しいタイマーの電源確保のため制御パネルを開け、電動式の古いタイマーを取り出しました。真空管時代の巨大なコネクタが使用されていました。

旧センサ開閉を検知するセンサ。鉄板が近づくと導通するようです。200V用のためか巨大なうえ、プレスを縦方向に使おうとすると邪魔な位置に設置されていました。

新旧センサ今回使用する傾きセンサー(ティルトセンサ)と並べてみました。センサと言っても、内部の金属球が電極に触れるだけの単純な構造のものです。

ティルトセンサは、熱板を上げ下げするレバーに取り付けました。

ブザー200V用のブザー。昔ながらの「ブー」という音。結構うるさい。

キッチンタイマーであれば100円ショップでも手に入れることができますが、押している間だけ計測し、放すとリセットされる機能はありませんし、それを実現する改造方法も思いつきません。設定したい時間は前述の通りですので、分と秒のふたつのボタンで設定するものは面倒ですので、40秒、50秒用にテンキーが付いたものを購入し、プレスのコントロールパネルに貼り付けていたのですが、レバーを下ろしてもスタートボタンは手動ですので、よく押し忘れます。そして、間抜けなことに、このタイマーは、セットした時間を憶えていてくれず、たとえ、5-0-STARTとボタンを3回押すだけでも、仕事中だと面倒です。

試作から完成品へ

uncompatino我々の世代で「マイコン」と言えば、マイクロプロセッサを利用した小規模のシステム=マイクロ ・コンピュータの略で、いまで言うところの「パソコン」と同じニュアンスで使っていたような気がしますが、現代ではCPU・メモリ・入出力インターフェイスをワンチッ プに納めた「マイクロ・コントローラ」のこと指すようです。このチップを使って実験や試作を行うのが「マイコン・ボード」で、OSを乗せてパソコンとし て使えるような高性能なものから、LEDを光らせたり音を鳴らしたりする「オモチャ」を手軽に実現できるようなモノまで、いろいろなシステムがリリースされています。

プログラムで制御でき るのであれば、汎用のロジックICをいろいろ組み合わせなければできないような機能を、わずかな部品で実現できるのではなかろうか、と言った漠然としたイメージから、いずれ電子工作にマイコンを使ってみたいと考えていました。しかし、専用の書き込み装置への出費や、プログラミングのことがネックになって手が出せないでいました。

arduinoを入手したのは、フロクの基板で互換機が製作できる、という書籍を見つけたからです。書籍を購入する前に調べてみたところ、専用の書き込み装置がなくても、USBでパソコンに接続すれば、本体のみでチップにプログラムが書き込めることが分かり、出費が少なそうなことが決め手になりました。

DSC_0114しばらくはハンダ付け無しで試作のできる万能基板「ブレッド・ボード」を使用したシールドを自作し、電子ブロック的にいろいろいじって遊んでいました。arduinoにおける「シールド」とは、マイコン・ボードに接続する拡張基板のことです。

マイコンボードは実験や試作用の環境で汎用品ですので、そこで得られた経験をもとに、単体で動作する完成品を作るのが目標らしい、と言うことがだんだん分かってきました。デジタル だけではなくアナログの入力も可能で、出力はLEDや圧電スピーカーなら直接駆動する能力もあるICが、僅か200円。ちょっとしたオモチャ を手軽に作れそうで、いろいろ楽しめそうです。

タイマー程度のプログラミングなら、自分のレベルでもできるのではないかと思い、数値表示用のシールドを作っていじりはじめました。ネット上の情報を参考に、キッチンタイマー程度のものは、プログラミング言語を完璧には理解していなくても、切り貼りして何とかなりました。arduinoに使われているAVRマイコンにはアナログ入力がありますので、そこに可変抵抗をつなぎ、0秒から59秒まで回転式のツマミでセットできるようにしたら、大変使いやすいものになりました。そこでいったん満足してしまい、その後1年くらいほったらかしにしていましたが、秋月電子で「傾きセンサ」を見つけたので、プレス機用のプログラムに書き直してみました。機能が単純なので、キッチンタイマーのプログラムを削るだけでした。

目標であった専用の基板を製作ました

timerCDR 裏面

設計はいつものCorelDRAWで数日、回路基板の製作は半日ほどです。自分がオリジナルで設計したものが一発動作する可能性はあまり高くないので、部品 のリード線を使って配線するため手直しのしにくい万能基板はあまり好きではないのですが、今回は何と一発動作しました。

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基板上の主なパーツは、LED表示器、ICソケット、発振子と、大変シンプルです。とマイコンボードから外した、プログラムを書き込まれたICをソケットに差し込みます。ICを抜いてマイコンボードに戻しすことにより、プログラミングやシールドでの検証ができますので、機能の修正や拡張が可能です。

プレス機への実装

コントロールパネルの内側マイコンの電源は5Vですので、製作に先立ち、電源を確保するためにプレス機のパネルを開けてみました。

携帯電話用充電器このプレス機は単相200Vですが、携帯用の充電器は100-240Vのワールドワイド対応のものが多く、問題はありません。取り払ったタイマーやブザーまわりの配線から、耐熱のための編組を抜き取ってかぶせてみました。

パネルへの取り付け電源はブザーのあった場所に取り付けました。ソケットは100V用ですので、うっかりすると接続した機器を破壊しますが、外部からアクセスできない場所ですので、良いことにします。

DSC_0081電源が引き出された状態。

DSC_0177タイマーが取り付けられた状態。

操作性はきわめて良好です。可変抵抗の回転角は300度ほどですので、1秒あたり5度もあり、設定にシビアさはありません。若干、誤作動もありますが、発生する条件は分かっているので、いずれ原因を探って修正したいです。

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